PALS4S操作パネルの発想
ズバリ!特別支援学校の現場で一番困っていたからです。
自閉度の高い子どもを担任したらわかりますが、「なぜ、この場でこうしちゃいけないか」逆に「こうしなきゃいけないか」という命題は言葉を介して説明・理解が成り立たない場合が多いです。
例1 なぜ体育でゴールまで速く走って、競わなければならないのか?
ゴールに行けばいいんでしょ。行きますよ・・。
と、悠然と歩いていく子どもがいます。他の子どものことなんて眼中にないです。
本当は全力で走ったら、すごく速いのに・・・
「競走する」という意味が、なかなかつかめないのです。物理的には「スタートからゴールまで移動する」で、あってますもんね。
例2 雨の日に日課の水やりを中止できない
4月、係活動に花壇の水やりを担当することになった子どもがいました。
時間も理解でき、毎日10時には自分からジョーロを取りに行って水やりができます。
自立的に行動でき、いい係に就いたなと思いました。
が、数日後、大雨が降って花壇がビショビショになっていました。その子は、日常のことは、だいたい言葉で説明して理解できるし、ひらがな・カタカナも書けたので、おそらく「雨が降ったから水やりは要らないよ」と一言説明すれば通じると思ったのですが、それは大きな間違いでした。
彼は私からジョーロをひったくって、いつものように水やりを始めました。
花に水をやる意味自体がわかっていなかったのです。「10時=水やり」というマッチング的・機械的な理解だけがあって、そこに意味理解が欠落していたために応用が効かなかったのです。
子ども自身が気づく力を大切に
昨今、文科省もアクティブラーニングを提唱していますが、ルールやマナーについても、注入型の指導ではなく、自ら気づくという内発的な学習が尊重されるべきだと考えます。